たぶん、まったくもって世間を賑わせていない、日本語配列で75%レイアウト、アクチュエーションポイント変更とラピッドトリガー対応、それで見た目が可愛い、というてんこ盛りキーボード「Keychron K2 HE スペシャルエディション」を入手したので、いろいろ使ってみたレビューしてみます。
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Keychronとは
Keychron<キークロン>は、2017年に香港で設立されたメカニカルキーボードを製造しているメーカーです。
Keychronはキーボード愛好家が集まって設立された経緯があって、ラインナップが豊富すぎて意味わからないくらいカオスになっているのが特徴です。
価格帯は15,000円くらいから45,000円くらいなので高級キーボードブランドですが、タイピングをメインにしているようなエンジニアとかライターは「とりあえず1台くらいは持っておくか…」といった感じで最初の1台を買ったけど、最終的には複数台買っちゃってる…みたいなイメージですね。
めちゃくちゃ主観ですけど。
ぼくは以前、KeychronのAmazon限定モデル「Keychron C3 Pro」を購入しているので、今回の「Keychron K2 HE スペシャルエディション」で2台めのKeychronとなっています。
Keychron C3 Proのレビューはこちらからご覧いただけます。
めちゃくちゃ良いよ。
今回は普段使いのメカニカルキーボード「Keychron K2」にゲーミング機能を追加して、さらにフレームやキースイッチなどをブラッシュアップした「Keychron K2 HE スペシャルエディション」をレビューしていきますよー!
Keychron K2 HE スペシャルエディションのスペック
「Keychron K2 HE スペシャルエディション」は主にこのようなスペックになっています。
- JIS配列
- US配列
- 60%
- 75%
- 80% (テンキーレス)
- 100% (フルサイズ)
- ノーマルプロファイル
- ロープロファイル
- 青軸
- 赤軸
- 茶軸
- ダブルレール・マグネティックスイッチ Nebula軸
- 無線 (2.4GHzドングル)
- 無線 (Bluetooth)
- 有線
- バックライト
- メディアキー
- ホットスワップ
- アクチュエーションポイント変更
- ラピッドトリガー
Bluetoothは3台までペアリング可能で、右下のFnキーと数字の「1」「2」「3」で接続機器を切り替えます。2.4GHzドングルはFnキーと数字の「4」ですね。
「K2」と「K2 HE」と「K2 HE スペシャルエディション」の違い
そもそもKeychronには「Keychron K2」というキーボードがあって、その「K2」をベースにアップグレードしたものが「K2 HE」なんですよね。
HEはHall Effectの略で、キースイッチに磁気センサーを利用した技術のこと。HEはキーの押下深度を細かく検知できるので、ラピッドトリガーとかアクチュエーションポイントの変更とか細かく設定できるようになっています。
さらに磁気センサースイッチは1億5,000万回の打鍵に耐えるくらい高耐久。
つまり、「K2」にゲーミング仕様を加えて高耐久にしたものが「K2 HE」というわけですね。
で、「Keychron K2 HE」にはさらに「スタンダードエディション」と「スペシャルエディション」という2つのモデルがあって、スペシャルエディションはフレームとキースイッチがアップグレードされている…という感じ。
「K2」も「K2 HE」も「K2 HE スペシャルエディション」も「K2」をモデルにしているので、キーレイアウトは全て同じ75%です。
めちゃややこしいですが、タイトルが長くなればなるほど高機能で高価格だと思っておくとわかりやすいです。
Keychron K2 HE スペシャルエディション
同梱物は下記の通りです。
- キーボード本体
- Windows/Mac対応のキーキャップ
- キープラー
- USB-C to Aケーブル
- 2.4GHz無線ドングル
- ドライバー
- レンチ
キーボードを買ったら付いてくるよね!って感じのオーソドックスな内容です。
有線で接続するときのUSBケーブルは市販のものでも使えますが、付属のケーブルはキーボード側のUSB-CがL型になってるので見栄え的にも良くなっています。
ドライバーとレンチに関しては、キーボードをカスタマイズするときに使うみたいですね。必要ない人には全く必要ないアイテムになってます。
そしてキープラーです。キーキャップをWindows/Macで変えるときは付属のキーキャップを使うんですけど、キーキャップを引き抜くときに使ったり、キースイッチを交換するときに使います。
外観的な特徴としては、USB-Cポートなどは左側に集約されていて、奥からUSB-Cポート、Windows/Macの切り替えボタン、有線/Bluetooth/2.4GHzドングルの切り替えボタンがあります。
キースイッチはホットスワップ対応のGateronの「ダブルレール・マグネティックスイッチ」という特別なものを採用しています。
ホットスワップに対応していますがCherry MXなど汎用性が高いキースイッチには対応してないので注意してください。
使ってみた感想
使ってみた感想をざっくりとまとめてみました。
バリエーションが豊富
そもそもキーボードって、デザイン的に良いと思ってもUS配列だけだったりして結局買わないみたいなのがあるんですけど、Keychron K2 HEスペシャルエディションはバリエーション豊かで、キーレイアウトがJIS配列とUS配列、カラーはブラックとホワイトから選べるようになっています。
キーボードに限らずですが、ある程度のバリエーションがあると選びやすいので嬉しいですね。
打鍵感は最高
KeychronはエントリーモデルのKeychron C3 Proを持っていますが、キーを押下したときのコトコトした打鍵感はどちらも素晴らしいです。
カチャカチャした「これぞメカニカルスイッチ!」という感じではなくて落ち着いた感じになっているので、カチャカチャしたメカニカルキーボードに飽きたら気分で変えるというのも楽しいですね。
C3 Proは高めのコトコト、K2 H2スペシャルエディションは低めのコトコト…といった感じなので、同じ「コトコト系」でも結構違います。
ちなみに個人的には10,000円くらいのKeychron C3 Proのほうが打鍵感は好み。
見た目がナチュラルで可愛い
いろんな機能が搭載されてて多用途なんですけど、まぁそんなことよりビジュアルの良さに尽きます。
ぼくはホワイトを購入しましたが、Escキーがブラウンのアクセントになっているところとか、オフホワイトのカラーリングにサイドフレームのウッド感だったりとか、ナチュラルな部屋に馴染むデザインになっています。
「K2 HE」はキーキャップが透けてRGBライトがギラギラできる「これぞゲーミング!」という感じになっていますが、「K2 HE スペシャルエディション」のキーキャップは透けません。
FPSゲームにも最適
ぼくはゲームをやらないので分からないんですけど、仕事用とゲーム用に同じパソコンを使ってるけどキーボードは用途に合わせて変えてるという人が多いみたいなので、そういったときにキーボードを切り替える必要がないというのはメリットかと思います。
また、仕事はMacでゲームはWindowsという人でも、スイッチを切り替えるだけなので手軽ですね。
ホットスワップに難あり
Keychron K2 HE スペシャルエディションにはGateronのダブルレール・マグネティックスイッチというのが採用されているんですけど、これの汎用性が低いんですよね。
ダブルレール・マグネティックスイッチ自体はすごいみたいで、Keychronにもこう書いてあります。
業界トップクラスの超高速レスポンスと精確な操作性を実現。比類なき滑らかさと安定感で、究極のタイピング体験をお楽しみください。
性能的にはすごいみたいですけど、スイッチ自体がポピュラーなものではないので市販のものに手軽に変えるということは難しいです。
Keychronにはいくつか用意があるので、どうしてもキースイッチを変更したかったらそこから選ぶのが良いかもしれません。
確認してないですが、もしかしたらAliExpressだったらもっと種類があるかも。
ゲームに対して本気なDKSを搭載
ぼくはゲームをやらないので分からないんですけど(2回目)、もう意味わからないDKSという機能も付いています。
DKSはDynamic Key Strokeの略で、キーを押し始めて押し込むまでの動作と、押し込んでからキーを戻すまでの動作にキーを割り振れる機能みたいです。
例えばWキーで例えると、キーを押し込み始めたときはWキーが反応、Wキーを深く押し込んでいくとCtrl+Wになって、キーを戻していくとCtrl+Shift+Wに設定できる感じですね。
Wキーひとつ押して戻すだけで複数のキーを同時に押したりも設定できるのでPhotoshopとかIllustratorでも使えそうかなーって思ったんですけど、慣れるまで大変そう&設定がややこしそうなので使っていません。
ゲームの歩く/走るみたいな動作が指の感覚で調整できるのはメリットになりそうです。
キーレイアウトがやっぱり気になる
使う前に分かってたんですけど、やっぱりキーレイアウトは気になります。
80%のいわゆるテンキーレスレイアウトはどのメーカーのキーボードを使ってもキー配置はほぼ同じなんですけど、75%って結構カオスになってるんですよね。
もうメーカーによって自分の色を出しすぎなのです。
で、Keychron K2 HEスペシャルエディションの問題はEnterキーの右側とEnterキーの下らへんですね。
ただでさえKeychronの日本語配列は少し特殊になってるんですけど、特に気になったのは右側のShiftがカーソルキーの上になっているというところです。
ぼくはウェブデザイナーなので仕事で記号をめちゃくちゃ使うんですけど、「!」とか「”」とか数字キーに配されている記号を使うときに右側のShiftを使ってたんですよね。
つまりひとつのキーを「Shiftに使うか」「上矢印に使うか」いずれかを選択しないといけない排他仕様になってるということ。これにはめちゃくちゃ迷ったんですけど、色々試したりした結果、Shiftはデフォルトの「上矢印」に落ち着きました。
ちなみにキーマップを変更して、Enterの右側キーは全部無効化、Caps LockはCtrlにしておくとタイプミスも減って良いかもです。
テンキーレスキーボードってよく考えられてるんだなーって思います。マジで。
価格が高すぎる
キー押下に対するHEという技術だったり、アルミフレームだったり、キースイッチだったり、接続方法だったり…てんこ盛りの仕様になっているのでそれなりの価格になるのは分かるんですけど、価格は驚きの28,000円くらいになってます。
高いですねー。
ゲーミングキーボードだったら50,000円とかの製品もあるので、「キーボードなのに高い」というのではなくて、「何かに特化した製品じゃないのに高い」という意味ですね。
キーキャップも透過させてギラギラしたゲーミングに特化しているとか、ビジネス用途にマクロスイッチが独立しているとかであれば話は別なんですけど、製品としてはビジネス向けなのかゲーム向けなのかどっちつかずのプロダクトなので、ビジネス用途だけを考えるとオーバースペックですし、ゲーム用途だけを考えるビジュアル的にも物足りません。
価格的には、いずれかの方向に全振りしても良かったような気がしますが、まぁまぁ、まぁ、そういうことですね。
さいごに
というわけで、Keychron K2 HE スペシャルエディションのレビューでした。
正直、製品としての不満はそれなりにあるんですけど、コンパクトで見た目がものすごくかわいらしいので、無骨なデザインが好みじゃない人にはおすすめです。
ホワイト+ウッドみたいなナチュラルな雰囲気にはかなりマッチしますので、部屋とか周辺機器の雰囲気に合わせて使ってみても良いかもしれませんね!
レイアウトはUS配列とJIS配列が用意されています。