デザイン制作で切っても切り離せないのがAdobeのサブスクリプションですね。
Adobe製品は業界のデファクトスタンダードになってるのでなくてはならない存在ですが、毎月のコストがじわじわと利いてるのが悩ましいところ。
Adobeの料金をざっくり見てみると、単体契約だとアプリ1つで月々3,280円かかります。PhotoshopとIllustratorの2つを使うだけでも月々6,560円になってしまうので、主要アプリが揃った月々6,480円のCreative Cloud Standardプランに加入している人が多いと思います。
というわけで、PhotoshopやIllustratorをオープンソースで再現してみんな無料で使えるようにしようというプロジェクト「ArtCraft Crafting Apps」が登場したんです。
良い意味で、めっちゃヤバいです。
ArtCraftとは?

ArtCraft<アートクラフト>は、クリエイター向けのオープンソースツールを開発しているプロジェクト。
開発主体になっているのはGitHubのArtCraftプロジェクトで、クリエイターが費用やプラットフォームの制約を気にせず制作に没頭できる環境作りを目的として立ち上げられました。
プロジェクトの中心となる「ArtCraft」自体は、AIを活用した画像/動画制作環境です。テキストからの生成だけじゃなくて、2Dや3Dで構図を組み立てたりキャラクターのポーズやカメラ位置を指定してからFLUXやSora、Veoといった最新の生成AIモデルで映像化できる先鋭的なプラットフォームになっています。
ArtCraft Crafting Appsとは?
このArtCraftプロジェクトが「サブスクリプションやクラウドへの常時接続、アカウント依存を必要としないローカル優先のクリエイティブ環境」を目指して開発を進めているのが、今回紹介するアプリシリーズ「Crafting Apps」です。
.psdとか.aiが開ける単なる互換アプリではなくて、Rustでゼロから構築することで圧倒的なパフォーマンスを実現していて、AIエージェントによる外部操作まで見据えて設計されているのが大きな特徴です。
主要アプリの機能と実用性
Crafting Appsにはたくさんの互換アプリがあるんですけど、その中でもウェブサイトの制作に使う主要アプリの特徴をピックアップしました。
PhotoCraft

PhotoCraftはレイヤーやマスク、調整レイヤー、ブラシなどの機能を網羅したPhotoshopの互換アプリです。
ファイル互換性の高さがすごくて、135個のテストファイルのうち134個は、読み込んで保存してもレイヤー構造や内容が崩れない再現性があったそうですよ。
カラーモードに関してもRGBだけでなく、CMYK、Lab、グレースケールに対応していて、8bitから32bitまでの色深度やICCカラーマネジメント、ソフトプルーフィングまでサポートされてます。
描画エンジンにはMetal、Vulkan、DirectX 12、WebGPUを活用しているので、重い画像処理でも動作はかなり快適ですね。
VectorCraft

VectorCraftはPure Rustで構築されたIllustratorの互換アプリです。
驚異的な描画スピードを誇ります。
Retina解像度で2万個の図形を約27ミリ秒で描画できるパフォーマンスを持っているそうで、複雑なパスが交錯するイラストや要素の多いレイアウトでも画面がカクつかないのが特徴です。
ペンツールやダイレクト選択、図形のブーリアン演算とかの基本操作に加えて、グラデーションメッシュ、ブレンド、エンベロープ変形、画像のベクター化機能まで完備されています。
SVGやPDFの入出力はもちろん、ウェブ制作でよく使うPNG、JPEG、WebPへの書き出しも非常にスムーズです。
FilmCraft

FilmCraftはソースプログラムモニターやマルチトラックタイムライン、3点編集といった標準的なUIを備えたノンリニアのPremiere Proの互換アプリです。
カラーグレーディング機能が本格的で、トーンカーブやカラーホイール、HSL、LUTを活用した調整が可能で、HDRやLog素材のワークフローにも対応しています。
約55種類の映像エフェクトと30種類のトランジション、キーフレーム編集、EBU R128準拠のラウドネスメーターまで搭載されている徹底ぶりです。
外部のFFmpegに依存せずにH.264やHEVC、ProRes、VP9などの主要コーデックを実装してるので、動画のエンコードや書き出しの安定性が期待できます。
デメリットや注意事項
ここまで魅力的な機能ばかりを紹介してきましたが、実務に今すぐ完全移行できるかと言われると、いくつか注意しておきたいポイントもあります。
日本語が使えない
2026年10月現在、ArtCraft Crafting Appsの全てのアプリで日本語は使えません。操作なんかは英語でも使えないことはないと思いますが、アートボードやファイル名に日本語を使ってる場合は全て豆腐(□)に文字化けしてしまうので注意が必要です。
エコシステムの互換性は低い
Adobeに最適化されてきたプラグインやサードパーティ製の拡張機能のエコシステムは使えないことが多いです。日頃からPhotoshopプラグインとかPremiere Proのトランジション素材を多用している場合は作業フローの再構築が必要になります。
ファイルの再現性
既存ファイルの読み込み再現性が非常に高いとはいえ、複雑な装飾レイヤーや特殊な文字組み、グラデーションの表現などは意図しない描画のズレが発生する可能性があります。
もし仕事で本格的に使うのであれば念入りな表示チェックをしておいたほうが良いかもしれません。
さいごに
オープンソースでここまで完成度の高いアプリが揃ってくると固定費を抑えたいフリーランスや副業クリエイターにとって非常に心強い選択肢になります。
クラウド依存せずにローカルで高速に動作する設計、今後のAI連携も含めてチェックしていきたいプロジェクトですね。
全て無料で使うことができるので、気になる方はぜひ導入してみてくださいねー!
PhotoshopにAIはいらない。新機能もいらない。ただ「爆速で軽いPhotoshop」を買い切りで売ってくれという人には最高のアプリになるかもしれません。








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