プレイステーション用ゲームのLSDを彷彿とさせるサイケデリックさと、椎名林檎の楽曲「喪@CエNコ瑠ヲュWァ」のような文字化けが印象的なサイト「淀Dウ薀rェ,ネ。ホXタ筌yjゥD2h」を徹底分析していきたいと思います。

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キャプチャ

キャプチャを見てみましょう。

背景画像はひらすら繰り返されていて、ランダムに配置された画像や至るところに見られる文字化けが斬新です。ほぼ隠しリンクで構成されているので普通にコンテンツを楽しむのは至難。かなりクレイジーなウェブサイトですね。

ソース

内容は至って普通のHTMLだけなので特筆することはありませんが、「かがやき」など2バイト文字もちゃんと存在しているので「淀Dウ薀rェ,ネ。ホXタ筌yjゥD2h」などの文字化けはわざとテキストとして打っていることがわかります。

また、コンテンツがほぼ隠しリンク的な扱いになっていて通常ではどれがリンクでどれがクリックできるのか分かりにくいですが、トップページから内部リンクしているのは下記の15個のファイルです。

いずれも内容の薄いものですね。

技術

使われている技術に特筆するようなものはありませんが、ウェブサイトはIBM HomePage Builder 2001 V5.0.3 for Windowsで製作されています。HomePage Builderの2021は1999年10月8日に発売されたもので、NTTドコモのサービスiモード向けのサイトを簡単に作成できるように機能が追加されたバージョンですね。

ちなみにiモードとはWikipediaによるとこんなものです。

iモードは、NTTドコモの対応携帯電話にてキャリアメールの送受信やウェブページ閲覧などができる世界初の携帯電話IP接続サービスである。

1999年2月にサービス開始したiモードは、誰でも手軽にインターネットが楽しめることと、「時間」ではなく「パケット」で従量課金される分かりやすい料金設定もあって爆発的に人気になりました。さらにJ-Phone(現ソフトバンク)が作った写真が添付できるメールサービス写メールも登場したことで、日本のフィーチャーフォンの礎ができました。

が、時代は変わるもので、2008年6月には「iモード」と「写メール」の機能が当たり前に入って、さらにiPodの機能も入ったAppleの神デバイス「iPhone 3G」が日本でも発売されたことで、独特の文化をコツコツ作ってきたサービスは衰退していきましたね。

HomePage BuilderはWYSIWYGを採用しているのでHTMLとかCSSの知識がなくてもウェブサイトが作れるというのが魅力だったのですが、STUDIOとかWixとかのノーコードサービスが登場したので2024年8月現在は使ってる人も少ないと思います。ちなみにHomePage Builderがエンジニアにウケなかったのは対象が素人だったからですね。コーダーが見ると発狂するレベルのソースぐちゃぐちゃ地獄でしたから。

まとめ

というわけで、「淀Dウ薀rェ,ネ。ホXタ筌yjゥD2h」を分析してみました。

当時はADSL回線とパソコンが普及して、メモ帳とFFFTPさえあれば誰でもウェブサイトを全世界に公開できました。もちろん今でもそうなんですけど、SNSがコミュニケーションツールとして存在していますし、「どうせ作るならちゃんとしたもの」という考えが大きいかと思うので、忍者ホームページで「ホームページをなんとなく作ってみる」なんて人は少なくなったと思います。

「意味がない」ということにたくさんの価値があった古き良きウェブサイトですね。