原稿の添削や新規文章の作成など、ウェブデザイナーにはライティングが求められるシーンが多々あります。クライアントから、黒死館殺人事件のような難解な文章にしてほしいという依頼があれば話は別ですが、99%以上の人は読みやすい文章を求めているはず。
ライティングの基礎を知っておけばあらゆるシーンに役立てることができますので、ぜひ、この機会に学んでおきましょう。
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句読点の基礎
読点(、)というのは文章の途中、句点(。)は文章の終わりに打つのが鉄則です。句点に対しては「です/ます」や「だ/である」のタイミングで打つので比較的分かりやすいですが、読点については多くても少なくても文章が読みにくくなってしまいます。
また、読点を打つタイミングによっては意味が違ってくることもあります。下記の例では読点のタイミングで意味が変わっています。
彼女が好きな人と、食事に行きました。
彼女が、好きな人と食事に行きました。
読点は正しい場所に打つことが大切です。
読点を打つタイミング
読点を打つときの明確なルールはありませんが、下記のようなタイミングで打つと文章がリズミカルになって読みやすくなります。
息継ぎをするとき
文章が長くなりがちなときは、音読したときに息継ぎをするタイミングで打ちます。
どう考えても不条理だと思うが、それが世の常だというなら仕方の無いことだろう。
節を区切るとき
並列する語句や節を区切る場合には、語句や節の間に読点を打ちます。
彼は音楽が好きで、毎週コンサートに行く。
対比をするとき
対比を表す場合には、対比する語句や節の間に読点を打ちます。
彼女は優しくて、でも、時には厳しい。
説明や補足の前
余分な説明や補足を入れる場合には、その前に読点を打ちます。
私は犬が好きで、特にゴールデンレトリバーという種類が好きです。
感嘆文や呼びかけの前
感嘆文や呼びかけをしているときは、その前に読点を打ちます。
ああ、美しい景色だ!
開く漢字の基礎
漢字をひらがなにすることを「開く」と言います。読みにくい文章にならないために、開くべき漢字を知っておきましょう。
接続詞は開く
節同士を繋げる接続詞は基本的に開きます。
- さらに
- かつ
- また
形式名詞は開く
他の語句に修飾して使われる名詞を形式名詞と言います。これも基本的に開きます。
- することで
- するたび
- するとき
ほかの開くべき言葉
ほかには文化庁の常用漢字に記載がない語句や、字面で読みにくくなる場合も開く必要があります。
- あらかじめ
- いたします
- できる
- ような
- ひとり
- ひとつ
やってはいけないこと
ライティングをする上でやってはいけないこともあります。ユーザビリティの観点からだけではなくウェブサイトであればSEOにも直接関係するので、やらないように注意しましょう。
分かち書き
読点を打たずにスペースで区切る方法を「分かち書き」と言います。分かち書きは児童書などで用いられる表記法で、節をスペースで区切っているのが特徴です。
ぼくは 買い物に行って ギターを買った。
分かち書きをビジネスメールなどでも使っている人をたまに見かけますが、ライティングとしては絶対にやってはいけません。
ゆらぎ
ゆらぎとは、表記ルールが定まっていないことを言います。
このバッグは希少価値が高いのが特徴で、カバンの中にはポケットがあります。
「かばん」「カバン」「バッグ」など、どれを使うか明確になっていないので、文章が読みにくくなってしまいます。
意味の重複
意味を重複させることは基本的にはありません。リズムがおかしくないのでスルーされがちですが、頭の悪さが露呈してしまうこともあるので注意しましょう。
毎朝、朝食にパンを食べています。
朝食は朝に食べるものなので、ここでは「毎日」と表現するのが正しいです。
正式名称以外の表記
固有名詞は誰が読んでも分かる表記にするのが望ましいです。
イラレでインスタ画像を作る。
インスタは「Instagram/インスタグラム」で、イラレは「Illustrator/イラストレーター」です。正しい名称を使うことでライターの信頼にも繋がります。
自分だけに分かる略語を使ってしまっている場合もありますので注意しましょう。読み手はどんな人なのか、その人に対して正しく内容を伝えることができるのかを考えておく必要があります。
さいごに
というわけで、ライティングの基礎についてお伝えしました。知っておくとカジュアル文書にも使えるので、ぜひ、覚えておきましょう。