ウェブデザインをしているといろんなジャンルのウェブサイトを制作することが多いと思いますが、どんなサイトでも同じフォントで制作していると、知らない間にユーザビリティを損なってしまっているかもしれません。
ウェブデザイナーやDTPデザイナーであれば、フォントの選択肢として可読性に特化したユニバーサルデザインフォント(UDフォント)のことを学んでおきましょう。
ユニバーサルデザインフォントとは?
ユニバーサルデザインフォント(UDフォント)とは、誰にでも読みやすくデザインされた特別なフォントです。読みやすいフォントと言えば「ヒラギノ」や「Noto」などがありますが、そういったフォントとはデザイン性が異なっているのが特徴です。
フォントの「可読性」とは
誰にでも読みやすいNoto Sans JPを使っているからだいじょうぶだよね…と思うのは安易で、ディスレクシアという学習障害を持った人には「それでも読みにくい」ということが発生しています。
まだサンセリフはある程度の大きさがあれば全然読めないことはないと思いますが、セリフの可読性の悪さは顕著で、フォントの装飾なのか、濁点/半濁点なのか、どのような漢字なのかを理解することに時間がかかってしまいまうことがあります。
例えばNoto Serif JPの場合、健常者であればこのように見えます。
ディスレクシアの場合はこのように見えることが多いようです。
セリフはフォントの太さが均等ではないので、装飾部分が際立った状態ですね。
IT化が進む中で誰にでも同じ情報が与えられることは当然なので、こういった視認性の悪いフォントでいろんなものが制作されないようにユニバーサルデザインフォントがデザインされるようになりました。
ユニバーサルデザインフォントの特徴
これはUDフォントの「BIZ UDGothic」です。
線が均等になっていたり濁点/半濁点の視認性が高くなっていたりするので、パッと見た感じでも読み間違えにくくなっていることが分かると思います。
拡大するとより分かりやすいですね。
左は「BIZ UDGothic」ですが、他2つのフォントはフォントの太さが違っています。
ちなみに中央が「ヒラギノ角ゴ Pro」で、右が「Noto Sans JP」です。いずれも読みやすいフォントとして有名ですが、UDフォントとは全然作りが違っていますね。
さいごに
Google Fontsにもウェブフォントとして使えるサンセリフの「BIZ UDGothic」とセリフの「BIZ UDMincho」がモリサワから提供されていて誰でも無料で使うことができるので、行政だったり障害に特化した案件を手掛けるとき、また、YouTubeなど動画の字幕などにもおすすめです。
いつまでもNoto Sans JPばかり使っているならちょっと立ち止まって、ターゲットに合わせたフォントの導入を検討してみましょう!